Sansui AU−D907X. 12台目修理記録
平成17年1月14日到着  1月26日完成 
注意 このAMPはRL−SPのアース側にもAMPが入っています
    よって、AMPのシャーシにSPの線(アース側)を接続してはいけません、共通にしてもいけません、終段TRが死にます
A. 修理前の状況
  • 大学生の時にアルバイトをしてオーディオ機器をそろえました。友人たちは、アルバイトで稼いだお金で車を購入しましたが、私は車よりオーディオ機器を選択しました。
      このときに購入し、現在も持っているものの一つにSANSUIのアンプAU-D907Xがあり ます。社会人となり、結婚してから音楽から少し距離がありましたが、また聞きたく なりました。 907Xを捨てて、新しい機器を購入することも考えたのですが、捨てるには心許なく、 修理したいと考えています。
      故障箇所は、左Chの音が小さい症状です。 入力切り替えスイッチのカバーがとれていますが、これはなくとも使えるので修理対 象にはならないと思います。

B. 原因
  • 釣った魚にもえさ を与えましょう。
    各部経年劣化多数。

C. 修理状況
  • SP接続リレー交換。
    電源投入リレー交換。
    メインAMPのバランス・バイアス半固定VR交換。
    メインAMPの初段FET(電界効果トランジスター)交換。
    EQ−AMPのFET(電界効果トランジスター)交換。
    取り外し、各基板の半田不良を修理します、所謂、半田補正作業。
    電解コンデンサー交換。

D. 使用部品
  • バランス・バイアス半固定VR 13mmΦ高級品      12個。
    メインAMPの初段FET(電界効果トランジスター)       2個。
    EQ−AMPのFET(電界効果トランジスター)          2個。
    SP接続リレー                             2個。
    電源投入リレー。
    電解コンデンサー(ミューズ使用)               82個。
    フイルムコンデンサー                       3個。
    抵抗                                 2個。

E. 調整・測定

F. 調整費  100,000円    オーバーホール修理。

S. Sansui AU−D907X の仕様(マニアル・カタログより)


A. 修理前の点検状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 上から見る すごい埃!!
A12. 点検中 掃除後上から見る
A13. 点検中 メインAMP基板のRLプロテクト基板の電解コンデンサーが異なる
A21. 点検中 下から見る
A22. 点検中 組み付け時の点検が悪く、線を噛んでいた!
A3. 点検中 SP接続リレー比較 左=付いていた接点容量7A=8Ω出力だと392W定格
                        右=交換する接点容量10A=8Ω出力だと800W定格
A4. 点検中 交換するのは、原則オーディオ用電解コンデンサー
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1.後パネルを外し、修理中
C11. 修理前 SP接続リレー基板
C12. 修理後 SP接続リレー基板 SP接続リレー3個、電解コンデンサー個12、フイルムコンデンサー2個交換
C13. 修理前 SP接続リレー基板裏
C14. 修理(半田補正)後 SP接続リレー基板裏
C15. 完成SP接続リレー基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C21. 修理前 RL初段ドライブAMP基板
C22. 修理後 RL初段ドライブAMP基板 初段FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR4個、電解コンデンサー12個交換
C23. 修理前 RL初段ドライブAMP基板裏
C24. 修理(半田補正)後 RL初段ドライブAMP基板裏
C25. 完成RL初段ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C31. 修理前 RLプロテクト基板、RLプロテクト基板の電解コンデンサーのメーカーが異なる
C32. 修理後 RLプロテクト基板電解コンデンサー4個交換、高性能のBPを使用したので2個→1個
C33. 修理前 RLプロテクト基板裏
C34. 修理(半田補正)後 RLプロテクト基板裏
C35. 完成RLプロテクト基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C41. 修理前 メイン・ドライブAMP基板
C42. 修理後 メイン・ドライブAMP基板 半固定VR4個、電解コンデンサー10個交換
C43. 修理前 メイン・ドライブAMP基板裏
C431. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏 ジャンパー線の曲げる方向を考えて欲しい
C432. 修理後 メイン・ドライブAMP基板裏
C44. 修理(半田補正)後 メイン・ドライブAMP基板裏
C45. 完成メイン・ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C51. 修理前 定電圧基板
C52. 修理後 定電圧基板 電解コンデンサー22個増量交換
C53. 修理前 定電圧基板裏
C54. 修理(半田補正)後 定電圧基板裏
C55. 完成定電圧基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C6. 前パネルを外し修理中
C61. 修理前 コントロール基板
C62. 修理後 コントロール基板 電解コンデンサー14個交換 抵抗2個追加
C63. 修理前 コントロール基板裏
C631. 修理中 コントロール基板裏  ジャンパー線の曲げる方向を考えて欲しい
C632. 修理中 コントロール基板裏 曲げる方向を考えて欲しい
C64. 修理(半田補正)後 コントロール基板裏
C65. 完成コントロール基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C71. 修理前 ランプ基板裏
C72. 修理(半田補正)後 ランプ基板裏
C73. 完成ランプ基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C81. 修理前 LED表示基板裏
C82. 修理(半田補正)後 LED表示基板裏
C83. 完成LED表示基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C91. 修理前 モード切替基裏
C92. 修理(半田補正)後 モード切替基板裏
C93. 完成モード切替基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CA1. 修理前 メインVR基板裏
CA2. 修理(半田補正)後 メインVR基板裏
CA3. 完成メインVR基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CB1. 修理前 SP切り替え基板裏・ヘッドホーン基板裏
CB2. 修理(半田補正)後 SP切り替え基板裏・ヘッドホーン基板裏
CC1. 完成SP切り替え基板裏・ヘッドホーン基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CC2. 修理前 CD_Direct_RCA端子基板裏
CC3. 修理(半田補正)後 CD_Direct_RCA端子基板裏
CC4. 完成CD_Direct_RCA端子基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
                   写真紛失
CD1. 修理前 EQ基板
CD2. 修理後 EQ基板 初段FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR4個、電解コンデンサー20個交換
CD3. 修理前 EQ基板裏
CD4. 修理(半田補正)後 EQ基板裏
CD5. 完成EQ基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CE1. 修理前 SW基板
CE2. 修理前 SW基板裏
CE21. 修理中 SW基板裏RCA端子 太く重いRCAケーブルを使うので半田不良対策
CE22. 修理後 SW基板裏RCA端子 半田を十分盛る
CE23. 修理中 SW基板裏 ジャンパー線の曲げる方向を考えて欲しい
CE24. 修理後 SW基板裏
CE3. 修理(半田補正)後 SW基板裏
CE4. 完成SW基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CF1. 修理前 電源基板裏
CF2. 修理(半田補正)後 電源基板裏
CF3. 完成電源基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CG. パネル清掃
CH. 交換部品
CI1. 修理前 上から
CI2. 修理後 上から
CI3. 修理前 下から
CI4. 修理後 下から
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力/歪み率確認・調整
    <見方>
     下左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出す(歪み率=約0.003%)
     下中=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル) 下右=周波数計
     上左=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
     上中=SP出力電圧測定器、赤針=R出力、黒針=L出力
     上右=SP出力波形オシロ 上=R出力、下=L出力(出力電圧測定器の出力)
E11. R出力38V=180W 歪み率=0.02% 1000HZ AUX入力
E12. R出力38V=180W 歪み率=0.02% 400HZ AUX入力
E13. L出力38V=180W 歪み率=0.03% 1000HZ AUX入力
E14. L出力38V=180W 歪み率=0.02% 400HZ AUX入力
E21. R出力38V=180W 歪み率=0.02% 1000HZ MM入力
E22. R出力38V=180W 歪み率=0.02% 400HZ MM入力
E23. L出力38V=180W 歪み率=0.03% 1000HZ MM入力
E24. L出力38V=180W 歪み率=0.02% 400HZ MM入力
E31. R出力38V=180W 歪み率=0.02% 1000HZ MC入力
E32. R出力38V=180W 歪み率=0.02% 400HZ MC入力
E33. L出力38V=180W 歪み率=0.03% 1000HZ MC入力
E34. L出力38V=180W 歪み率=0.02% 400HZ MC入力
E4. 完成、引き続き30分の連続定格実働、24時間エージングに入る。
S. Sansui AU−D907X の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 インテグレーテッドDCアンプ AU-D907X
パワーアンプ部 Xバランス・アンプ(Twin Diamond Balanced Drive Amp)方式
実効出力(両ch駆動) 180W+180W(6Ω、10Hz〜20kHz)
160W+160W(8Ω、10Hz〜20kHz)
250W+250W(4Ω、1kHz)
210W+210W(6Ω、1kHz)
180W+180W(8Ω、1kHz)
全高調波歪率 0.003%(8Ω、10Hz〜20kHz、実効出力時)
0.005%(6Ω、10Hz〜20kHz、1/2実効出力時)
混変調歪率(60Hz=7kHz=4=1) 0.003%(8Ω、実効出力時)
出力帯域幅(IHF、両ch動作、THD0.03%) 5Hz〜80kHz
ダンピングファクター(新IHF、20Hz〜20kHz) 100(6Ω)
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0 -3dB
エンベロープ歪 測定限界以下
TIM歪(Sawtooth法) 測定限界以下
スルーレイト ±300V/μsec(6Ω)
ライズタイム 0.5μsec
イコライザーアンプ部(Hi-Precisionイコライザー)
入力感度/入力インピーダンス(1kHz) Phono MM=2.5mV/47kΩ
Phono High MC=2.5mV/100Ω
Phono MC Low=100μV/3.2Ω(MCトランス採用)
Phono MC High=300μV/40Ω(MCトランス採用)
CD、Tuner、Tape1、2=150mV/47kΩ
Phono最大許容入力(1kHz、THD 0.01%) MM=300mV
High MC=300mV
MC High=35mV(トランス方式)
出力レベル/インピーダンス Tape rec=150mV/600Ω
RIAA偏差(MM、Rec out) 20Hz〜300kHz ±0.2dB
SN比(Aネットワーク、ショートサーキット) Phono MM=90dB
Phono MC=80dB以上(100μV)
CD、Tuner、Tape=110dB
トーンコントロール Bass最大変化量=±10dB(20Hz)
Treble最大変化量=±10dB(20kHz)
トーンセレクター Bass=100Hz、200Hz
Treble=4kHz、8kHz
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB、6dB/oct)
オーディオミューティング -20dB
総合
定格消費電力(電気用品取締法) 370W
外形寸法 幅466x高さ161x奥行431mm
重量 20.5kg
価格 189,000(1984年発売)
                      d907x-b2j
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