Threshold 400Acas 修理記録
同時修理DB SYSTEMS DB−1/DB−2. 2台目     2021/9/2到着    10/17完成
A. 修理前の状況
  • オークションにて6月に入手いたしました。
    前のオーナー様は修理はしていないようですが 70〜80年代の器械ですのでノーメンテということはないかと思いますが、それでもかなり年数が経っていると思います。
    おそらくですが、フロントパネル、リアパネルの文字から察するに、400A casというカスコード、クラスA回路へのバージョンアップ品ではないかと思います。
    理由はWebのオーディオの足跡の400Aと400Acusの説明文にもあるように、フロントのパネルにCascode/classAと書いてある、リアパネルも400Aとは違うし、custom seriesと書いてあります。

T. 修理前の測定

B. 原因
  • 経年劣化、過去に修理履歴あり。
    オーバーホール依頼。

C. 修理状況
D. 使用部品
  • 半固定VR                       2個。
    電解コンデンサー                  7個。
    IC                            8個。
    SP端子 WBT−0735            1組4個。
    RCA端子WBT 0201            1組2個。
    LED                        1個。
    フイルムコンデンサー             2個。

E. 調整・測定

F. 修理費                155,500円  オーバーホール修理

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Threshold 400Acus の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る。下足は修理工房の都合で取り付け。
A12. 点検中 前左から見る
A13. 点検中 後から見る。左側の放熱器の色が焼けている。
A14. 点検中 後から見る、 BAVCO正規輸入品
A15. 点検中 後から見る、RCA端子。
A16. 点検中 後から見る、RCA端子。右側WBT 0201に交換。
A17. 点検中 後から見る、SP接続端子。
A18. 点検中 後から見る、SP接続端子。WBT−0735に交換、端子向きは外側。
A19. 点検中 点検中 後から見る、SP接続端子。右WBT−0730、左WBT−0730PL交換可能。
A1A. 点検中 後から見る、SP接続端子。WBT−0735に交換、端子向きは外側横(左側)と少し上(右側)に取り付け可能。
A1B. 点検中 後から見る、SP接続端子。WBT−0735に交換、取り付け穴が大きく台座無(右側)も可能。
A21. 点検中 上から見る
A22. 点検中 上蓋を外し、上から見る。埃が沢山。
A23. 点検中 上蓋を外し、上から見る。清掃後。
A24. 点検中 上蓋を外し、上から見る。清掃後。
A242. 点検中 上蓋を外し、上から見る。先が曲がった放熱器。
A31. 点検中 下前から見る
A32. 点検中 下前左から見る
A33. 点検中 下後から見る
A34. 点検中 下後右から見る
A41. 点検中 下から見る。
A51. 点検中 上から見る。ブロック電解コンデンサー周り。
A52. 点検中 上から見る。電源トランスの鉄心見る、2〜4枚の重ね。日本製だと1枚交互が普通。
T. 修理前の測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
T0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
T1. 1kHz入力、右側SP出力電圧29V=105W、 0.534%歪み。
            左側SP出力電圧29V=105W、 1.46%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T2. 10kHz入力、右側SP出力電圧29V=105W、 0.0398%歪み。
             左側SP出力電圧29V=105W、 0.124%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理中 右AMPブロック、前後パネルを外して修理中。
C11. 修理前 右AMPブロック裏
C112. 修理中 右AMPブロック裏。終段−電源供給ラグ板半田付け線(空色)が短絡寸前!
C113. 修理中 右AMPブロック裏。 アンプ基板との配線。
C114. 修理中 右AMPブロック裏。 アンプ基板との配線2。もう少し丁寧が欲しい!
C115. 修理中 右AMPブロック裏。 アンプ基板との配線3。もう少し丁寧が欲しい!
C116. 修理後 右AMPブロック裏。配線の方向を考え手取り付け。
C117. 修理中 右AMPブロック裏。 アンプ基板との配線4。もう少し丁寧が欲しい!
C118. 修理後 右AMPブロック裏4。 アンプ基板との配線4。配線の方向を考え手取り付け。
C12. 修理後 右AMPブロック裏。電解コンデンサー3個、半固定VR1個交換。
C21. 修理前 右AMP基板
C22. 修理後 右AMP基板
C23. 修理前 右AMP基板裏
C24. 修理(半田補正)後 右AMP基板裏 全ハンダやり直す
C25. 完成右AMP基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 右終段TR(トランジスタ−)
C32. 修理中 右終段TR(トランジスタ−)裏
           写真紛失
C33. 修理(半田補正)後 右終段TR(トランジスタ−)裏。 全ハンダやり直す。
C34. 完成右終段TR(トランジスタ−)裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C40. 修理中 左AMPブロックを取り外して修理中。
C41. 修理前 左AMPブロック裏
C413. 修理前 左AMPブロック裏。 アンプ基板との配線。
C413. 修理後 左AMPブロック裏。 アンプ基板との配線。
C414. 修理前 左AMPブロック裏。 アンプ基板との配線2。
C414. 修理後 左AMPブロック裏。 アンプ基板との配線2。
C42. 修理後 左AMPブロック裏
C51. 修理前 左AMP基板
C52. 修理後 左AMP基板
C53. 修理前 左AMP基板裏
C54. 修理(半田補正)後 左AMP基板裏 全ハンダやり直す
C55. 完成左AMP基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理前 左終段TR(トランジスタ−)
C62. 修理中 左終段TR(トランジスタ−)裏
C63. 修理(半田補正)後 左終段TR(トランジスタ−)裏。 全ハンダやり直す。
C64. 完成左終段TR(トランジスタ−)裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理前 RCA端子
C73. 修理(交換)後 RCA端子。WBT 0201 使用。 
C74. 修理前 RCA端子裏配線
C75. 修理後 RCA端子裏配線
C81. 修理前SP端子
C82. 修理(交換)後 SP端子。 WBT SP端子 WBT−0735を使用
C83. 完成SP端子。 サンドイッチスペードが似合います左WBT 0681Ag、 右WBT 0681Cuを挿した所。
C91. 修理前 電源ブロック電解コンデンサー周り配線。
C92. 修理後 電源ブロック電解コンデンサー周り配線。コンデンサー2個追加。
C93. 修理中 電源ブロック電解コンデンサーへの配線固定ビス。ボルト、スプリングワッシャーは鉄製、スプリングワッシャーに錆が出て入る。 
C94. 修理後 電源ブロック電解コンデンサーへの配線固定ビス。
          真鍮+ニッケルメッキ製ボルト、スプリングワッシャ、平ワッシャー、ナットに交換。
          この様にするとボルトは十分に電解コンデンサーの端子に挿入出来る。
CA1. 修理前 VU−AMP基板
CA3. 修理後 VU−AMP基板 IC8個、LED1個交換。
CA4. 修理前 VU−AMP基板裏
CA5. 修理(半田補正)後 VU−AMP基板裏 全ハンダやり直す
CA6. 完成VU−AMP基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
CA7. 修理前 表パネルのVU表示部分の遮光スポンジ、殆どです無。
CA8. 修理(交換)後 表パネルのVU表示部分の遮光スポンジ。
CB1. 修理前 電源フイルター電解コンデンサー。
CB2. 修理(交換)後 電源フイルター電解コンデンサー。
CC. 交換部品
CD1. 修理前 上から見る
CD2. 修理後 上から見る
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E1. 50Hz入力、右側SP出力電圧29V=105W、 0.0518%歪み。
            左側SP出力電圧29V=105W、 0.050%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2. 100Hz入力、右側SP出力電圧29V=105W、 0.0724%歪み。
             左側SP出力電圧29V=105W、 0.0711%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3. 500Hz入力、右側SP出力電圧29V=105W、 0.0697%歪み。
             左側SP出力電圧29V=105W、 0.0704%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 1kHz入力、右側SP出力電圧29V=105W、 0.0587%歪み。
            左側SP出力電圧29V=105W、 0.0591%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E41. 1kHz入力、右側SP出力電圧10V=12.5W、 0.0134%歪み。
             左側SP出力電圧10V=12.5W、 0.0140%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5. 5kHz入力、右側SP出力電圧29V=105W、 0.0684%歪み。
            左側SP出力電圧29V=105W、 0.0636%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6. 10kHz入力、右側SP出力電圧29V=105W、 0.0753%歪み。
             左側SP出力電圧29V=105W、 0.0758%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7. 20kHz入力、右側SP出力電圧29V=105W、 0.0639%歪み。
             左側SP出力電圧29V=105W、 0.0653%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E8. その時の本体VUメ−タ
E9.完成  24時間エージング。 左はLo-D HMA−9500mkU.69台目
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況.
S. Threshold 400Acas の仕様(マニアル・カタログより)
型式 ステレオパワーアンプ
回路方式 全段カスコード接続/全段Aクラス
実効出力 100W+100W(8Ω)
高調波歪率 0.05%以下
混変調歪率 0.05%以下
周波数特性 1.5Hz〜150kHz +0 -3dB
20Hz〜20kHz ±0dB
ライズタイム 1μsec
スルーレート 50V/μsec
インプットインピーダンス 75kΩ
ダンピングファクター 100
ハム&ノイズ 0.5mV以下
負荷インピーダンス 4Ω以上
電源部 100V仕様
消費電力 450W(最大)
外形寸法 幅483x高さ176x奥行279mm
重量 22.7kg
備考 400Acasへのバージョンアップ(¥45,000)
価格 400A¥598,000(1976年発売)、400Acas¥530,000(1979年頃)
                      400a-2k
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