HMA−9500. 37台目修理記録
平成29年2月22日持込   3月7日完成
注意 このAMPはアースラインが浮いています。
    AMPのシャーシにSPの線(アース側)や入力のRCAプラグのアース側も接続してはいけません。
    RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません。
    本機の様に、電源コードがシールド(アース)付きの場合、シールド(アース)は本体かプラグのどちらかで外す事。

    又、DC(directconnection)入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=ここ参照
A. 修理前の状況
  • オーバーホール修理依頼。



B. 原因

  • 各部経年劣化あり。

C. 修理状況
D. 使用部品
  • SP接続リレー               2個。
    初段FET(電界効果トランジスター)  2個。
    RLバイアス/バランス半固定VR   6個。
    フューズ入り抵抗            30個。
    電解コンデンサー            31個 。
    フイルムコンデンサー          4個。
    整流ダイオード交換          10個。
    SP端子 WBT−0765WBT−0735互換) 2組4個。
    RCA端子 WBT−0201     1組2個(定価で工賃込み)
    電源コード(3.5スケア) 灰色と黒色あり、黒色選択 2m。
    3Pプラグ(Panasonic WF−5018)   1個。

E. 調整・測定

F. 修理費      130,000円。  オーバーホール修理。
                         3台目からの、お馴染みさん価格。

S. HITACHI Lo−D HMA−9500 の仕様(マニアルより)


A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る。 放熱器に鳴き止め丸棒が入れてある。
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る。 放熱器に鳴き止め丸棒が入れてある。
A15. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る。 放熱器に鳴き止め丸棒が入れてある。
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る。 放熱器に鳴き止め丸棒が入れてある。
A25. 点検中 下から見る。下足が大型に交換してある。
A31. 点検中 下蓋を取り、下から見る。
A32. 点検中 λコンデンサーがΛコンデンサーに交換してある。
A33. 点検中 電源基板の止めビスが締め忘れ。
A34. 点検中 半田屑。
A35. 点検中 電源トランスの詰め物を見る。  変色、ヒビ割れも無。
A36. 点検中 回り込みによるR側接地抵抗に焼け有り?
A37. 点検中 回り込みによるL側接地抵抗に焼け有り?
A41. 点検中 電源コード。 過大電流による被覆ビニールのヨレヨレが少しあり。
A42. 点検中 交換する電源ケーブル(3.5スケヤ)、PSE法で絶縁皮膜が厚い。
A43. 点検中 交換する電源プラグ
A44. 点検中 交換するK色電源コード。 電気的性能や耐候性能は上記灰色と同じです。
A81. 点検中 入力RCA端子。
A82. 点検中 使用されていたRCA端子。 中心電極は上下で挟む方式。
A83. 点検中 使用されていたRCA端子。 挟み込むタイプなので、接触は2点(2線)のみ。
A84. 点検中 使用されていたRCA端子。 拡大。
A85. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A86. 点検中 WBT製RCA端子 WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A87. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 R側ドライブ基板。SP接続リレー、フューズ入り抵抗、電解コンデンサーが交換されている。
C12. 修理後 R側ドライブ基板 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス・バイアス調整用半固定VR2個、SP接続リレー交換
                      フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、TR(トランジスター)4個交換
C13. 修理中 R側放熱器裏の埃
C14. 修理前 R側ドライブ基板裏
C15. 修理中 R側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C16. 修理(半田補正)後 R側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C17. 完成R側ドライブ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 L側ドライブ基板。SP接続リレー、フューズ入り抵抗、電解コンデンサーが交換されている。
C22. 修理後 L側ドライブ基板 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス/バイアス調整用半固定VR2個、SP接続リレー交換
                     フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、TR(トランジスター)4個交換
C23. 修理中 L側放熱器裏の埃
C24. 修理前 L側ドライブ基板裏
C25. 修理中 L側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C26. 修理(半田補正)後 L側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C27. 完成L側ドライブ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C32. 修理中 R側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け用絶縁マイカー。
           修理に手こずり何回も取り外し・取り付けを繰り返したか、穴が広がっている?
C33. 修理後 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C34. 修理前 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C35. 修理中 L側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け用絶縁マイカー。
           修理に手こずり何回も取り外し・取り付けを繰り返したか、穴が広がっている?
C36. 修理後 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C41. 修理前 電源基板
C42. 修理中 電源基板、電解コンデンサー固定用の接着材が取り除かれていない、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C43. 修理中 電源基板、電解コンデンサー固定用の接着材を取り除き、防湿材を塗る。
C44. 修理後 電源基板 フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、整流ダイオード10個交換。
C45. 修理前 電源基板裏
C46. 修理(半田補正)後 電源基板裏 半田を全部やり直す
C47. 完成電源基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C48. 修理中 絶縁シート。 綺麗です。
C51. 修理前 RCA端子
C52. 修理後 RCA端子 WBT RCA端子 WBT−0201
C53. 修理中 RCA端子取り付ビスは治具を使い締結する。
C54. 修理前 RCA端子裏
C55. 修理(半田補正)後 RCA端子基板裏  半田を全部やり直す
                   フイルムコンデンサー2個増設
C56. 完成RCA端子基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C57. 修理前 入力RCA端子基板
C58. 修理後 RCA端子基板のカップリングコンデンサー。 左=交換した1μ/50V、 右=付いていた1μ/100V。
           最近の部品は製造方法が改良されて小型化し、且つ 電気的特性が向上している。
           わざわざ、古製品を使用する修理屋がいるが、高域特性を重視するHMA-9500には不適。
C59. 修理前 入力RCA端子基板裏
C5A. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。
C5B. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。 使用するのは端に1回路なので、綺麗な接触子に交換して磨く。
C5C. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。 使用するのは端に1回路なので、綺麗な接触子に交換して磨く。
C61. 修理前 R−SP端子
C62. 修理中 R−SP端子取り付け穴。
C63. 修理中  R−SP接続端子穴加工後
C64. 修理(交換)後 R−SP端子、 WBT−0765 (WBT−0735互換)。
C65. 修理前  R−SP接続端子裏配線
C66. 修理後  R−SP接続端子裏配線。 WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
C71. 修理前 L−SP端子
C72. 修理中 L−SP端子取り付け穴。
C73. 修理中 L−SP接続端子穴加工後。
C74. 修理(交換)後 L−SP端子、 WBT−0765WBT−0735 互換)。
C75. 修理前  L−SP接続端子裏配線
C76. 修理後  L−SP接続端子裏配線。WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
C81. 修理前 R側ドライブ基板へのラッピング線
C82. 修理後 R側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C83. 修理前 L側ドライブ基板へのラッピング線
C84. 修理後 L側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C85. 修理前 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
C86. 修理後 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C87. 修理前 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
C88. 修理後 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C91. 修理前 電源ケーブル取り付け部
C92. 修理中 電源ケーブル挿入穴。
                 SP接続端子との距離を取る為に、下右方向へ広げる為、昔ながらのヤスリで削る。
C93. 修理中 電源ケーブル挿入穴加工後。
C94. 修理(交換)後 電源ケーブル取り付け部
C95. 修理中 電源ケーブル端末処理。
C96. 修理前 ラグ端子に電源ケーブル取り付。
C97. 修理中 ラグ端子に電源ケーブル取り付。細銅線で固定する。
C98. 修理後 ラグ端子に電源ケーブル取り付。さらに半田で固定。
C99. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。 差し込み固定が一般ですが、時計方向に巻き付けると良い。
           上の白線=巻き付いた端側、 下の黒線=挿入した側。
           これで差し込み固定の3倍位接触面積が増し、接触抵抗が低くなる。
C9A. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。 差し込み固定が一般ですが、時計方向に巻き付けると良い。
           上の黒線=巻き付いた端側、 下の白線=挿入した側。
           これで差し込み固定の3倍位接触面積が増し、接触抵抗が低くなる。
C9B. 完成 3Pプラグにケーブル取り付。 奥までしっかり芯線が入っている。
C9C. 完成 3Pプラグにケーブル取り付、反対側。 奥までしっかり芯線が入っている。
C9D. 完成3Pプラグにケーブル取り付。 被覆部も十分に差し込む。
C9E. 完成3Pプラグにケーブル取り付、反対側。 被覆部も十分に差し込む。
CA1. 修理前 ブラブラのΛコンデンサー。
CA2. 修理後 ブラブラのΛコンデンサー。 接着材の梱包紙で固定する。
CB1. 交換部品
CB2. 交換部品。 ヒューズ抵抗入手難で金属皮膜抵抗(REY)に交換されていた。
CB3. 交換部品。 16V指定の所、容量が同じなら、使用電圧は無視!
                       ESRに付いてはここ=muRata、又はここ=Nichicon参照
CC1. 修理前 下から見る
CC2. 修理後 下から見る
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「Tektronix TDS−2024(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「Tektronix TDS−2024(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より100Hz〜10kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A
E1.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0079%歪み、 50HZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00695%歪み、 50HZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2.  R側SP出力電圧33V=136W出力、 0.00772%歪み、 100HZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00694%歪み、 100HZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0081%歪み、 500HZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0097%歪み、 500HZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0099%歪み、 1kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0092%歪み、 1kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0187%歪み、 5kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0182%歪み、 5kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0224%歪み、 10kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0224%歪み、 10kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7.  R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00656%歪み、 50kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00683%歪み、 50kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=400kHz。
E8.  R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.0191%歪み、 100kHZ。
     L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.0201%歪み、 100kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=400kHz。
E9. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
EA. 完成  24時間エージング、 左はUESUGI U−BROS−1
                       9500_372y
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