HMA−9500. 32台目修理記録
同時修理 HCA−8300. 2台目  平成26年6月19日持込   7月9日完成 
注意 このAMPはアースラインが浮いています。
    AMPのシャーシにSPの線(アース側)や入力のRCAプラグのアース側も接続してはいけません。
    RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません。
    本機の様に、電源コードがシールド(アース)付きの場合、シールド(アース)は本体かプラグのどちらかで外す事。

    又、DC(directconnection)入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=ここ参照
A. 修理前の状況
  • 昭和52年頃新品で購入。
    ※現在も稼働中
    18年程前にプロテクトが解除せず、ヒューズ抵抗8本?交換修理。
    電源ケーブルは17年程前に線が硬化しておりましたので私が自分で取り替えました。
    「HMA−9500」パワーアンプは、昭和52年頃「HCA−7500」コントロールアンプと共に新品で購入し現在に至っており、
    2台とも現役で稼働してておりますが、近年低域の出が今一かなと感じるようになり、又コントロールアンプはバランスのL側が若干(目盛2つ位)弱くなってきています。
     コントロールアンプは、購入後まもなくHCA−8300にすれば良かったなと思っておりました。
    当時は、まだ23歳の若造でしたので買い替えもままならず現在に至っております。
    37年余り使用してきた大変愛着のあるアンプですので どうぞ宜しくお願いいたします。



T. 修理前点検測定

B. 原因
  • 経年劣化。

C. 修理状況
  • SP接続リレー交換。
    初段FET(電界効果トランジスター)交換。
    RLバイアス/バランスVR交換。
    電解コンデンサー交換(オーディオコンデンサー使用)。
    全ヒューズ入抵抗交換。
    1部整流ダイオード交換。
    配線手直し、補強。

D. 使用部品
  • SP接続リレー               2個。
    初段FET(電界効果トランジスター) 2個。
    バイアス/バランス半固定VR    6個。
    ヒューズ入り抵抗           30個。
    電解コンデンサー          31個 。
    フイルムコンデンサー        4個。
    整流ダイオード交換        10個。

E. 調整・測定

F. 修理費  98,000円。  オーバーホール修理。

S. HITACHI Lo−D HMA−9500 の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下後右から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下前左から見る
A25. 点検中 下から見る
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る。
A31. 点検中 電源コード取り付けぶ。
A32. 点検中 内部側 電源ケーブル半田付け。
A41. 点検中 R側ドライブ基板の電解コンデンサー、 頭が大分剥けている。
A42. 点検中 L側ドライブ基板の電解コンデンサー、 頭が大分剥けている。
A51. 点検中 RCA端子基板、少し傾きあり。
T. 修理前点検測定
T1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
T2. 1kHz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 0.633%歪み。
             L側SP出力電圧29V=105W出力、 0.643%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T3. 10kHz入力、R側SP出力電圧29V=105W出力、 1.085%歪み。
              L側SP出力電圧29V=105W出力、 1.101%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
C. 修理状況
C11. 修理前 R側ドライブ基板
C12. 修理後 R側ドライブ基板 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス・バイアス調整用半固定VR2個、SP接続リレー交換
                      フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、TR(トランジスター)6個交換
C13. 修理前 R側ドライブ基板裏
C135. 再修理中 R側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C14. 修理(半田補正)後 R側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C16. 完成R側ドライブ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C17. 修理(清掃)前 R側放熱器裏の埃
C18. 修理(清掃)後 R側放熱器裏
C21. 修理前 L側ドライブ基板
C22. 修理後 L側ドライブ基板 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス/バイアス調整用半固定VR2個、SP接続リレー交換
                     フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、TR(トランジスター)6個交換
C23. 修理前 L側ドライブ基板裏
C235. 修理中 L側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C24. 修理(半田補正)後 L側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C26. 完成L側ドライブ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C27. 修理(清掃)前 R側放熱器裏の埃
C28. 修理(清掃)後 R側放熱器裏
C31. 修理前 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C312. 修理中 R側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け用絶縁マイカー。
         熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコーンオイル=2.60〜2.75、雲母=5〜8と、
         2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C32. 修理後 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C33. 修理前 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C332. 修理中 L側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け用絶縁マイカー。
         熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコーンオイル=2.60〜2.75、雲母=5〜8と、
         2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C34. 修理後 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C51. 修理前 電源基板
C512. 修理中 電源基板、電解コンデンサー固定用の接着材が取り除かれていない、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C513. 修理中 電源基板、電解コンデンサー固定用の接着材を取り除いた所。
C52. 修理後 電源基板 フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、整流ダイオード10個、TR(トランジスター)4個交換。
                       フイルムコンデンサー4個追加。
C53. 修理前 電源基板裏
C54. 修理(半田補正)後 電源基板裏 半田を全部やり直す
C56. 完成電源基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C57. 修理中 絶縁シート。 綺麗です。
C61. 修理前 RCA端子基板
C62. 修理後 RCA端子基板。 フイルムコンデンサー2個交換。同じ容量ですが、技術進歩で小型になる。
       これにより高域特性が良くなる。逆に大型を使用すると高域が落ち、低域から中域が伸びた様に感じる。
       HMA−9500の様に高域までの再生を売り物にしている機器は、大型フイルムコンデンサーは不可。
C63. 修理前 RCA端子基板裏
C64. 修理(半田補正)後 RCA端子基板裏。 フイルムコンデンサー2個追加。
C65. 修理中 RCA端子基板裏。 洗浄後。
C66. 完成RCA端子基板裏。 防湿材を塗る。
C71. 修理中 入力切換SW分解、
                過去に強い接点復活材が使用されていないので、ベーク基板がしっかりしているので分解できた。
C71. 修理中 入力切換SW分解・清掃
C91. 修理前 R側ドライブ基板へのラッピング線
C92. 修理後 R側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C93. 修理前 L側ドライブ基板へのラッピング線
C94. 修理後 L側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C95. 修理前 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
C96. 修理後 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C97. 修理前 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
C98. 修理後 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CA1. 修理前 内部側 電源ケーブル半田付け。
CA2. 修理後 電源ケーブル半田付け。
CB1. 交換部品
CB2. 交換部品。 足黒TR(トランジスター)。
CC1. 修理前 下から見る
CC2. 修理後 下から見る
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
初期型なので、終段供給電圧が低いので、出力低い。  後期型はこちら
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧31V=120W出力、 0.0414%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.058%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧33V=136W出力、 0.0621%歪み。
                L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.078%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0462歪み。
               L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0478%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0276%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0284%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0310%歪み。
             L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0317%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0193%歪み。
               L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0203%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 50kHz入力、R側SP出力電圧33V=136W出力、 0.028%歪み。
               L側SP出力電圧33V=136W出力、 0.025%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E28. 100kHz入力、R側SP出力電圧31V=120W出力、 0.036%歪み。
                L側SP出力電圧31V=120W出力、 0.038%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
               このAMPの特色で、全く落ちない!
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. 完成  24時間エージング、 左は 同時修理 HCA−8300. 2台目
                       9500n-28
ここに掲載された写真は、修理依頼者の機器を撮影した者です、その肖像権・版権・著作権等は、放棄しておりません。写真・記事を無断で商用利用・転載等することを、禁じます。
 Copyright(C) 2015 Amp Repair Studio All right reserved.