Sharp SM−SX100. 6台目修理記録
ユーザー都合で修理待、2022/8/10開始。 2020/10/27到着    2023/2/5完成 
注意
    シャーシにSP出力の線(アース側も)を接続してはいけません。
    左右SP出力のアース側も接続(共通にする)してもいけません。
A. 修理前の状況
  • 故障の状況
    ・電源を入れ、数分たってから、アンプから「カチカチカチ」という音がしたことがある。
    ・音楽を聴いている途中で、急に電源が切れる。
    ・しばらくして、電源を入れてみると、普通に音が出てくる。
    ・急に電源が切れるこの現象が、最近、5,6度あり、シャープの修理が出来ない為心配になってきた。
    ・ヴォリュームの数値表示(青色)が定まらず、チカチカする。(これは以前から)
    ・電源を入れ、音を出さないままにしておくと、電源は切れない。
    ・入力系統に問題があり、安全装置的なものが働き、電源が切れてしまうのかと素人的には感じている。
    ・過去にシャープで修理に出したことがあるが、原因は忘れてしまった。(それ程、前に1度修理したのみ)
    ・使用頻度は、毎日使っている。(電源は1日1回は入れている。)

  • このアンプについて。
    U−audioという東京の販売店で中古購入したもの。
    ・真空管アンプやトランジスタなど、ジェフローランドやアキュフェーズも含め、ひと通り、取っ替え、引っ替え、聴いてきたが、 このアンプに変えてから、音に不満がなくなり物欲が消えた。以来、ずっと固定で使っている。
    ・アップグレードも考えたが、現在の音が好みため、変えなかった。
    ・シャープのワンビットアンプが気に入り、技術者が退職して立ち上げたN−modeのアンプも使用しているが、 全体的な落ち着き感は、ジャーぷ時代のSP出力シリーズに及ばないと考えている。
    ・当方、クラシックがメインソースで、弦楽器の音色も柔らかく、コクのあるアナログ的な音がするので、 できることなら、修理して使い続けたいと思っている。


B. 原因
  • 1ビットアンプ故障
    • 終段FET(電界効果トランジスター)劣化でDC漏れ。
      ドライブIC焼損。
      7th Order ΔΣ Modulation 1−Chip LSI 不良。
      SP出力フイルターフイルムコンデンサー焼却。
  • DC−DCコンバーター制御不能で出力30W/30W位しか出ず。

C. 修理状況
  • 通常修理なので、非公開です。


E. 調整・測定

F. 修理費    150,000円   通常修理ですが特別にHP製作。


Y. ユーザー宅の設置状況

S. Sharp SM−SX100 の仕様(カタログ・マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後から見る。 SP接続端子、3Pインレット。
A15. 点検中 後から見る。 入力端子郡。
A16. 点検中 後左から見る
A17. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A31. 点検中  横パネルと上下蓋を取り、上から見る。
A32. 点検中  横パネルと上下蓋を取り、上から見る。SP接続基板の配線、半田が綺麗なので、修理回数は少ない。
A33. 点検中 横パネルと上下蓋を取り、上から見る。 デジタル基板上の埃。
A41. 点検中 通電直後のSP出力のDC漏れ測定。左出力が大きい。
A42. 点検中 R側SP出力の高調波。
A43. 点検中 L側SP出力の高調波。
A51. 点検中 1ビットAMP基板。SP出力フイルターフイルムコンデンサー焼却、下側もヒビ入り。
A52. 点検中 1ビットAMP基板。SP出力フイルターフイルムコンデンサー焼却、左が下側。
A53. 点検中 1ビットAMP基板。下側SP出力フイルターフイルムコンデンサー測定=38.8pF
A61. 点検中 購入終段FET(電界効果トランジスター)。 Id=2.5mA時のVgs測定結果。工場出荷の1レーンを購入したので誤差が少ない。
A62. 点検中 Id=2.5mA時のVgs測定中
A63. 点検中 さらにもう1レーン購入した終段FET(電界効果トランジスター)。上の小さい列はドライブIC。
           中の黒いのは後発のFET(電界効果トランジスター)。
A71. 点検中 ハーフピッチICの交換には拡大鏡が必要。
A72. 点検中 さらに点検はズーム型実体顕微鏡で行う。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C01. 修理中 前後パネル、基板を取り去ったシャーシ裏。
C02. 修理中 前後パネル、基板を取り去ったシャーシ外。
C11. 修理中 1ビットAMP。
C12. 修理中 1ビットAMP基板。SP出力フイルターフイルムコンデンサー焼却
C13. 修理中 1ビットAMP基板。
C14. 修理中 1ビットAMP基板裏。
C15. 修理中 1ビットAMP基板。終段FET(電界効果トランジスター)交換中。
C16. 修理中 1ビットAMP基板。ドライブIC交換中。
C21. 修理中 電源部(AC−DCコンバーター、DC−DCコンバーター)
C22. 修理中 電源部(AC−DCコンバーター、DC−DCコンバーター)裏
C23. 修理中 電源部(AC−DCコンバーター、DC−DCコンバーター)。 基板を取りサビが出て入るのでCRCで拭く。
C31. 修理中 AC−DCコンバーター基板。
C32. 修理中 AC−DCコンバーター基板裏。
C41. 修理中 DC−DCコンバーター基板。 入力にそれそれ3.15Aヒューズが入っている。
C42. 修理中 DC−DCコンバーター基板裏。
C51. 修理中 フイルター基板。
C52. 修理中 フイルター基板裏。
C61. 修理中 電源フイルター基板。 電源ヒューズは10A、 100V×10A=1KVA。
C62. 修理中 電源フイルター基板裏。
C71. 修理中 メイン基板。
C72. 修理中 メイン基板、電源部。
C73. 修理中 メイン基板、デジタル・アナログ制御部。
C74. 修理中 メイン基板裏。
C75. 修理中 メイン基板裏、電源部。
C76. 修理中 メイン基板裏、デジタル・アナログ制御部。
C77. 修理中 メイン基板、電源部。DC−DCコンバーターが外付けに変更。
C78. 修理中 メイン基板、電源部。DC−DCコンバーターが外付けに変更2。
C81. 修理中 デジタル入力制御基板。
C82. 修理中 デジタル入力制御基板裏。
C91. 修理中 4連メインVR。
C92. 修理中 4連メインVR裏。
CA1. 修理中 SP出力接続リレー基板。
CA2. 修理中 SP出力接続リレー基板裏。
CB1. 修理中 裏パネル裏。
CB2. 修理中 入力端子裏基板。
C93. 修理中 3Pインレット裏配線。忙しいので、半田に雑。
CC1. 修理中 前面パネル裏。
CC2. 修理中 基板を外した、前面パネル裏。
CD1. 修理中 電源SW。
CD2. 修理中 電源SW裏。
CE1. 修理中 操作SW基板。
CE2. 修理中 操作SW基板裏。
CF1. 修理中 LED表示基板。
CF2. 修理中 LED表示基板裏。
CG1. 修理中 音量表示VR基板。
CG2. 修理中 音量表示VR基板裏。
CH1. 修理中 音量表示LED基板。
CH2. 修理中 音量表示LED基板裏。
CI1. 修理前 右パネル押さえ止ビスを2本無。
CI2. 修理後 右パネル押さえ止ビス。
CI3. 修理前 左パネル押さえ止ビスを2本無。
CI4. 修理後 左パネル押さえ止ビス。
CJ1. 修理前 上から見る。
CJ2. 修理後 上から見る。
CK. DC−DCコンバーター交換。 左=付いていた物、右=交換した物。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
入出力点検確認。
ライン1のアナログ入力、ライン2のバランス入力 、ライン出力点検確認済み。
デジタルNo1のST入力、デジタルNo2のBNCケーブル入力、デジタルNo3のRCAケーブル入力点検確認済み。
デジタルNo4の光ケーブル入力、デジタルNo5のSACD/1ビット入力(RCA入力)点検確認済み。
80kHz前後にクロック漏れが200mVPP(10mVrms)位あり、80kHzのローパスフイルターを挿入して測定。
仕様では、0.05%(1kHz、1W出力時)
E1. 50Hz入力、R側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.0229%歪み。
              L側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.0231%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2. 500Hz入力、R側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.0606歪み。
               L側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.0622%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E3. 1kHz入力、R側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.0689歪み。
             L側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.0689%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 5kHz入力、R側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.1020歪み。
             L側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.1795%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E5. 10kHz入力、R側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.600歪み。
             L側SP出力電圧26V=84.5W出力、 0.598%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E4. 完成 引き続き24時間エージング。 右は PRA−2000ZR. 11台目
Y. ユーザー宅の設置状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況.
S. Sharp SM−SX100 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 1ビットアンプ SM−SX100
定格出力(1kHz) 100W+100W(8Ω)
周波数特性 5Hz〜100kHz +1 -3dB
全高調波歪率 0.05%(1kHz、1W出力時)
ダイナミックレンジ 105dB
サンプリング周波数 約2.8MHz(64fs、fs=44.1kHz)
A/Dノイズシェーピング 7次刄ー変調ノイズシェーピング
入力端子 ST光デジタル入力=1系統
BNC同軸デジタル入力=1系統
RCA同軸デジタル入力=1系統
角型光デジタル入力=1系統
RCAアナログ入力=2系統
XLRアナログ・バランス入力=1系統
出力端子 角型光デジタル出力=1系統
RCAアナログ出力=1系統
電源 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力 130W
最大外形寸法 幅472×高さ89×奥行462mm(つまみ・突起部含む)
重量 約18.5kg
価格 ※受注生産品 \1,000,000税抜価格 (1999年8月発売)
SM-SX100 -G(ピーコックグリーン)
SM-SX100 -A(カクテルブルー)
SM-SX100 -T(チタンシルバー)
1999 GOOD DESIGN AWARD受賞「商品デザイン部門」
Sharp SM−SX100 サービスマニアルよりのSP出力ノイズ特性。
                    smsx100_628
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