Sony TA−E88. 2台目修理記録
平成25年9月18到着  平成26年1月21日完成
A. 修理前の状況
  • TA-E88も片方のチャネルが鳴らなくなりました。
    購入してから35年経ちますので電解コンデサーが抜けてしまったと思われます。

B. 原因・現状
  • 経年変化による各部劣化。


C. 修理状況
  • 全電解コンデンサー交換。
    半固定VR交換。


K. 上蓋修理状況

D. 使用部品
  • オーディオ用電解コンデンサー          22個(ニチコン・ミューズ使用)。
    半固定VR                       6個。


E. 調整・測定

F. 上位測定機器での調整・測定

G. 修理費   98,000円   オーバーホール修理

S. Sony TA−E88 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A17. 点検中 上から見る
A172. 点検中 上から見る、 錆が発生。
A173. 点検中 上から見る、 錆が発生。
A18. 点検中 上蓋を取り、上から見る
A21. 点検中 下から見る
A22. 点検中 下前から見る
A23. 点検中 下前左から見る
A24. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下後右から見る
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A31. 点検中 カムを使用した、入力切り換えSW。 上=Phono、 下=Tuner/AUX/Phono。
A32. 点検中 カムを使用した、入力切り換えSW。 上=Monitor、中=MODE、 下=OutPut Level。
A41. 点検中 金属で完全シールドされたVR。 上=Balanced、 下=メインVR。
A51. 点検中 入力RCA端子郡、 割れや変形が無。
A52. 点検中 出力RCA端子郡、 割れや変形が無。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 R側−AMP基板
C12. 修理後 R側−AMP基板。 電解コンデンサ−7個、半固定VR3個交換
C13. 修理前 R側−AMP基板裏
C14. 修理(半田補正)後 R側−AMP基板裏、 全ての半田をやり修す
C15. 完成R側−AMP基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C21. 修理前 L側−AMP基板
C22. 修理後 L側−AMP基板 電解コンデンサ−7個、半固定VR3個交換
C23. 修理前 L側−AMP基板
C24. 修理(半田補正)後 L側−AMP基板裏  全ての半田をやり修す
C25. 完成L側−AMP基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C31. 修理前 HEAD−AMP定電源基板
C32. 修理後 HEAD−AMP定電源基板 電解コンデンサ−4個交換
C33. 修理前 HEAD−AMP定電源基板裏
C34. 修理(半田補正)後 HEAD−AMP定電源基板裏、  全ての半田をやり修す
C35. 修理中、HEAD−AMP定電源基板裏、洗浄後。 見た目は非常に綺麗だが、このままでは腐食する。
C36. 完成HEAD−AMP定電源基板裏、 乾燥後コート液を塗る。
C41. 修理前 CARTRIDGE−LOADL基板
C42. 修理前 CARTRIDGE−LOADL基板裏
C43. 修理(半田補正)後 CARTRIDGE−LOADL基板裏、  全ての半田をやり修す
C44. 完成CARTRIDGE−LOADL基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C61. メインVR+バランスVR封印。 多量の接点復活材使用でベタベタ?
C62. バランスVR分解・清掃中。 このVRの接点等は真鍮製なので腐食しないので接点復活材使用しない。
C63. メインVR分解・清掃中。 このVRの接点等は真鍮製なので腐食しないので接点復活材使用しない。
C71. 修理前 電源基板
C72. 修理後 電源基板 電解コンデンサー13個交換
C73. 修理前 電源基板裏
C74. 修理(半田補正)後 電源基板裏  全ての半田をやり修す
C75. 修理中 電源基板裏、洗浄後。 見た目は非常に綺麗だが、このままでは腐食する。
C76. 完成電源基板裏、 乾燥後防湿材(コート液)を塗る。
C81. 前パネル、合わせ構造なので、ウエスで拭く
C82. 前パネル裏側、機械屋さんの設計か? しっかりした構造!
C9. 交換部品 
CA1. 修理前 上から
CA2. 修理後 上から
CA3. 修理前 下から
CA4. 修理後 下から
K. 上蓋修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
K11. 修理前 上蓋
K12. 修理中 上蓋。 錆を落とし、色を入れる。
K13. 修理後 上蓋。
K21. 修理前 上蓋の錆。
K22. 修理後。
K23. 修理前 上蓋の錆2。
K24. 修理後。
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整、「電源電圧は50HZ 100V」。
    「見方」。
   上段中 右側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. AUX 50Hz入力、R側出力電圧=1V、 0.0081%歪み。
                 L側出力電圧=1V、 0.0090%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. AUX 100Hz入力、R側出力電圧=1V、 0.0080%歪み。
                  L側出力電圧=1V、 0.0089%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. AUX 500Hz入力、R側出力電圧=1V、 0.0093%歪み。
                  L側出力電圧=1V、 0.0081%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. AUX 1kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.0090%歪み。
                 L側出力電圧=1V、 0.0113%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. AUX 5kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.0088%歪み。
                 L側出力電圧=1V、 0.0088%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E26. AUX 10kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.0075%歪み。
                  L側出力電圧=1V、 0.0088%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. AUX 50kHz入力、R側出力電圧=0.9V、 0.0082%歪み。
                  L側出力電圧=0.9V、 0.0082%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
            真空管AMPの組み合わせの為か、この下の周波数(30kHz)からフイルターが効いている。
E28. AUX 100kHz入力、R側出力電圧=0.6V、 0.011%歪み。
                   L側出力電圧=0.6V、 0.011%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E29. AUX 1kHz入力、R側出力電圧=10V、 0.0022%歪み。
                  L側出力電圧=10V、 0.0022%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
                 まだ、飽和しない!!
E31. MM 50Hz入力、R側出力電圧=1V、 0.033%歪み。
                 L側出力電圧=1V、 0.031%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MM 100Hz入力、R側出力電圧=1V、 0.049%歪み。
                  L側出力電圧=1V、 0.048%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MM 500Hz入力、R側出力電圧=1V、 0.016%歪み。
                  L側出力電圧=1V、 0.037%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MM 1kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.020%歪み。
                 L側出力電圧=1V、 0.052%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MM 5kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.015%歪み。
                 L側出力電圧=1V、 0.030%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E36. MM 10kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.024%歪み。
                  L側出力電圧=1V、 0.057%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MM 50kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.033%歪み。
                  L側出力電圧=1V、 0.061%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E38. MM 100kHz入力、R側出力電圧=1V、 0.052%歪み。
                   L側出力電圧=1V、 0.085%歪み。
                   「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
F. 上位測定器による 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
F1. 下のオーディオアナライザー VP−7732Aで自動測定。  「電源電圧は50HZ 100V」
F11. 入出力特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ150mV一定入力 VRはmax 平均で1.5V出力   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F12. 歪み率特性測定(AUX入力)
        AUX入力端子へ100mV一定入力 VRはmax  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F21. 入出力特性測定(MM入力)=PHONO−1
       MM入力 入力電圧=2mV一定入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F22. 入出力特性測定(MM入力)=PHONO−1+15Hz Low Cutフイルター
       MM入力 入力電圧=2mV一定入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
F23. 入出力特性測定(MC入力)=PHONO−2。
       MC入力 入力電圧=0.11mV一定入力 VRはmax   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
E5. 引き続き24時間エージング。右は YAMAHA B−1. 7台目
S. Sony TA−E88 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 DCプリアンプ TA−E88
入力感度/インピーダンス PHONO1・2= 2.5mV/50kΩ
TUNER,AUX,TAPE1・2= 150mV/50kΩ
HEAD AMP= 0.125mV/25Ω,100Ω
出力レベル/インピーダンス REC OUT1・2= 150mV(最大15V)/1kΩ
OUT PUT1・2= 1.5V(最大15V)/100Ω
高調波ひずみ率 0.002%以下(定格出力レベル,OUT PUT,10V出力時)
周波数特性 PHONO1・2= 20Hz〜20kHz RIAA±0.2dB
TUNER,AUX,TAPE1・2= DC〜500kHz+0,−1dB
フィルター(LOW) 12dB/oct(カットオフ周波数15Hz)
外形寸法 480W×80H×370D(mm)
重量 9.4kg
消費電力 22W
価格 20万円/1977年
主な特長 TA-N88のペアとなるプリアンプとして発売。
L・Rチャンネルそれぞれのアンプが前後に2台 並べられた構造。
ボリュームやスイッチ類も基板上に配置。
ボリュームには,摺動部に金皮膜を蒸着した導体を採用。
セレクタースイッチも銀クラッド接点を採用。
電源部は,L・R完全独立型で,専用の電源トランスを搭載。
トーンコントロールは省かれた。
PHONOは,10kΩ〜100kΩの負荷抵抗,100pF〜500pの負荷容量が切替えられる。
パワーアンプへの出力レベルが0dB,−10dB,−20dB,OFFに切替え出来る。
1978 GOOD DESIGN AWARD受賞「商品デザイン部門」
                     ta-e88_22b
ここに掲載された写真は、修理依頼者の機器を撮影した者です、その肖像権・版権・著作権等は、放棄しておりません。  写真・記事を無断で商用利用・転載等することを、禁じます。
 Copyright(C) 2023 Amp Repair Studio All right reserved.