YAMAHA BX−1. 2台目修理記録
BX−1は1台目〜3台目まで、同一人の持物です(1台目〜2台を修理、3台目は部品取り)
平成17年3月27到着  5月25日完成
寸評
ユーザーが半田補正をしていますが、良く出来ない理由は、下記です。
  • このAMPは、基板の銅箔が厚く、「熱容量が大きい半田鏝」が必要です、特に「アースライン」等は銅箔の面積が大きいので、難しいです。
    しかし、やたらと熱容量の大きい(W数が大きい)のを長時間使用すると銅箔が剥離するので、注意が必要です!
  • 経年変化で、未半田部分は酸化や汚れが付着しており、そのままでは半田が乗らない、研磨やヤスリ等でキズを付けて半田のノリを良くする。
  • 無闇に、鉛半田が使用してある部分に、「銀入り半田」 や「無鉛半田」は使用しない事。
    次の修理の時、融点温度が高く、基板の銅箔の剥離の原因になります。 下記参考

「BX−1」は「+−増幅」する方式のAMPです、後に「Sansuiの907Xシリーズ」で有名になる。

注意 SPのアース線を本体に接続出来ません。
    DC(directconnection)入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=ここ参照
    内部基板の放熱が悪いので、電解コンデンサー等の寿命を延ばす為、冷却フアンを使用を薦めます。
A. 修理前の状況
  • ユーザーが自分で電解コンデンサーを交換した。

B. 原因・現状
  •   全体に歪みが多いい(0.2〜0.3%)

T. 修理前測定

C. 修理状況
  • フイルム・コンデンサー交換。
    半固定VR交換。
    初段FET(Field Effect Transistor)交換。
    リレ−交換。

D. 使用部品
  • フイルム・コンデンサー        18個。
    半固定VR                10個。
    リレ−                   2個。

E. 調整・測定

F. 修理費   70,000円 通常修理。

S. YAMAHA BX−1 の仕様(カタログ・マニアルより)

A. 修理前の点検
A1A. 点検中 上ケースを取る。
  • 基板が逆さに取り付けられ、ゴミ等の混入に備え、ドライブ基板を絶縁紙が覆う 。
    お陰で、放熱が悪く、部品の劣化が早い(基本設計が悪い)   
A1B. 点検中 絶縁紙を取るとドライブ基板裏が出る。
  • 調整用の半固定VRは見えない。
    終段基板の半固定VRも調整出来ない、L型を選定すべき(基本設計が悪い)。
    銅箔は厚く、銅板と言えるので、ハンダコテは熱容量が大きい物が必要
A2A. 点検中 ドライブ基板を取る
A2B. 点検中 RCA端子の半田付け
A2C. 点検中 SP端子の半田付け
A3A. 点検中 横から定電圧基板を見る
A3B. 点検中 横から定電圧基板を見る 右上端の電圧調整VRがドライブ基板がじゃまで回せない。                         平型にすればOKなのに?
A3A. 点検中 横から定電圧基板を見る。 ユーザーが交換した電解コンデンサー。本当のチュウブラ!
T. 修理前の測定
T1. SP出力電圧27V=91W 歪み率=3% 400HZ
C. 修理状況
C1A. 修理前 終段ブロック
C1B. 修理後 終段ブロック
C1D. 修理前 終段ブロック サーミスタの半田、左側はラッピングの上から半田付け
C1E. 修理後 終段ブロック サーミスタの半田
C2A. 修理前 F側終段基板 基板上で電源と出力ラインは銅板使用 上・左はバイアス・リミッター基板
C2A1. 修理前 F側終段基板 引き出し線がご覧の様に切れそう
C2A2. 修理後 F側終段基板 半田やり直し
C2A3. 修理前 F側終段基板 引き出し線がご覧の様に切れそう
C2A4. 修理後 F側終段基板 半田やり直し
C2B. 修理後 F側終段基板
C2C. 修理前 F側終段基板裏
C2D. 修理(半田補正)後 F側終段基板裏
C2E. 完成F側終段基板裏 洗浄後
C3A. 修理前 B側終段基板 基板上で電源と出力ラインは銅板使用 上・左はバイアス・リミッター基板
C3A1. 修理前 B側終段基板 不要なラッピング部分を取りましょう
C3A1. 修理前 B側終段基板 不要なラッピング部分を取りましょう
C3B. 修理後 B側終段基板
C3C. 修理前 B側終段基板裏
C3C1. 修理前 B側終段基板裏 基板が割れ補修した所
C3C2. 修理後 B側終段基板裏 基板が割れ補修した所、機械的強度の為に、メッキ線を半田穴が有るところまで引く
C3C4. 修理前 B側終段基板裏 半田不良予備軍クラックが入り始めた
C3D. 修理(半田補正)後 B側終段基板裏
C3E. 完成B側終段基板裏 洗浄後
C4A. 修理前 プロテクト・リレー基板。
  • 一般的なSP接続リレー方式と異なり、終段TR(トランジスター)の電源を切り、SP出力ラインをアースする方法で、出力回路は低インピーダンスなので、損失を無くす「GOODアイデア回路」 SP回路リレーはユーザが交換済み。
C4A1. 修理前 プロテクト・リレー基板 SP出力線が太いので、ラグ板が折れた
C4A2. 修理後 プロテクト・リレー基板 SP出力線
C4A3. 修理前 プロテクト・リレー基板 ラッピング線。
  • ユーザーが半田付け?
    古くて酸化された線の半田付けは、非常に難しい! 既成のキットを経験した位では到底不可能!
 
C4A4. 修理語 プロテクト・リレー基板 ラッピング線、十分に半田を染み込ませる。
C4B. 修理後 プロテクト・リレー基板
C4C. 修理前 プロテクト・リレー基板裏
C4D. 修理(半田補正)後 プロテクト・リレー基板裏
C4E. 完成プロテクト・リレー基板裏 洗浄後
C5A. 修理前 ドライブ基板B側
C5A1. 修理前 ドライブ基板B側。 入力シールド線、何回も何回も弄られ半分切れている
C5A2. 修理後 ドライブ基板B側。 入力シールド線
C5A1. 修理前 ドライブ基板B側給電線
C5A2. 修理後 ドライブ基板B側給電線 首は弱いので熱収縮チューブを被せる
C5A3. 修理前 ドライブ基板B側。
  • 放熱器は接着材で固定してあるだけなので、経年変化で取れ、
    TR(トランジスター)の足に負担が架かり、半田不良になるやすい
    常識的には、放熱器をネジ止めする
 
C5B. 修理後 ドライブ基板B側  半固定VR2個、フィルムコンデンサー8個交換、放熱器接着
C5B1. 修理前 ドライブ基板B側  電源供給線
C5B2. 修理後 ドライブ基板B側  電源供給線
C5C. 修理前 Lドライブ基板B側裏
C5C1. 修理中 Lドライブ基板B側裏 半田くず球が銅泊の間に有る、半田後の点検不足
C5C2. 修理中 Lドライブ基板B側裏 半田くず球が銅泊の間に有る、半田後の点検不足
C5C3. 修理中 Lドライブ基板B側裏。 半田くず球が銅泊の間に有る、半田後の点検不足
C5D. 修理(半田補正)+余分なフラックスを取った後 ドライブ基板B側裏
C5E. 完成ドライブ基板B側裏 洗浄後
C6A. 修理前 ドライブ基板F側
C6A1. 修理前 ドライブ基板F側給電線
C6A2. 修理後 ドライブ基板F側給電線
C6B. 修理後 ドライブ基板F側  半固定VR2個、フィルムコンデンサー8個交換、放熱器接着
C6B1. 修理中 ドライブ基板F側 アース線処理 被服を引っ張り、心線を出し半田を浸みこませる  
C6B2. 修理中 ドライブ基板F側 アース線処理 熱い内に被服を元に戻す。これで首がしっかりする。
              収縮チューブの無い時、自然に思いつく方法、決して教わる物ではない
C6B3. 修理後 ドライブ基板F側 アース線処理 左が上の方法、右は収縮チューブ使用
C6C. 修理前 ドライブ基板F側裏
C6C1. 修理前 Lドライブ基板B側裏 半田不良 只単に半田をしただけではダメ、古いのは磨く事
C6D. 修理(半田補正)+余分なフラックスを取った後 ドライブ基板F側裏
C6E. 完成ドライブ基板F側裏 洗浄後
C7A. 修理前 電源基板
C7A1. 修理前 電源基板、電源基板入力線。
  • ユーザーが半田補正した所
    ラッピング端子も配線も古くなって酸化しており、半田付けは簡単では有りません
 
C7A2. 修理中 電源基板  電源基板入力線 不要なラッピングは取りましょう=自分のですから手抜きはダメ
C7A3. 修理後 電源基板  電源基板入力線
C7A4. 修理前 電源基板  電源基板出力線。
  • ユーザーが半田補正した所
    ラッピング端子も配線も古くなって酸化しており、半田付けは簡単では有りません
 
C7A5. 修理中 電源基板出力線 不要なラッピングは取りましょう=自分のですから手抜きはダメ
C7A6. 修理後 電源基板出力線 
C7A7. 修理前 電源基板 印刷と実際の接続が異なる
C7B. 修理後 電源基板 半固定VR個交換、フイルムコンデンサー2個追加、大型電解コンデンサー固定
C7B1. 修理後 電源基板 電解コンデンサーを接着する
C7C. 修理前 電源基板裏
C7D. 修理(半田補正)後 電源基板裏
C7E. 完成電源基板裏 洗浄後
C8A. 修理前 電圧切り替えリレー基板
C8B. 修理後 電圧切り替えリレー基板 リレー2個交換
C8C. 修理前 電圧切り替えリレー基板裏
C8D. 修理(半田補正)後 電圧切り替えリレー基板裏
C8E. 完成電圧切り替えリレー基板裏 洗浄後
C9A. 修理前 アース端子 留めネジはメッキを使用したい
C9B. 修理後 アース端子。 止めビスを銅メッキ製に交換する。
CAA. 修理前 RCA端子の半田付け
CAB. 修理後 RCA端子の半田付け
CBA. 修理前 SP端子の半田付け
CBB. 修理中 SP端子の半田が少ない
CBC. 修理後 SP端子の半田付け
CBD. 修理後 AC電源線の半田付け
CC. 交換部品
CD. バイアス・アイドル電流調整中
E. 調整・測定
E1A. 出力/歪み率測定
    <見方>
     下左オーデオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出す(歪み率=約0.003%)
     下中=入力波形(オーデオ発振器のTTLレベル) 下右=周波数計
     上左=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
     上中=SP出力電圧測定器、赤針=R出力、黒針=L出力
     上右=SP出力波形オシロ 上=R出力、下=L出力(出力電圧測定器の出力)
E2A. SP出力電圧29V=105W 歪み率=0.02%  1000HZ 
E2B. SP出力電圧29V=105W 歪み率=0.02% 400HZ
E3. 測定はフルパワーなのでフアンで強制空冷
E4. 24時間1台目とエ−ジング、山水907Xシリーズのユーザーは1度は聴てみると良い
E5. 長持ちさせるため、下記の様にフアンを付けると良い、騒音を押さえるため、1/2の電圧で駆動する
S. YAMAHA BX−1 の仕様(カタログ・マニアルより)
型式 モノラルパワーアンプ
定格出力(10Hz?20kHz、歪0.002%) 100W(4Ω・8Ω)
全高調波歪率(4Ω・8Ω) 0.001%(10Hz?20kHz、50W)
0.005%(100kHz)
パワーバンド幅 10Hz?100kHz(歪0.005%、50W)
入力感度/インピーダンス
          (100W、1kHz)
1V/27kΩ
IM混変調歪率(50W、50Hz:7kHz) 0.001%(4Ω・8Ω)
周波数特性(8Ω、1W) DCインプット
10Hz=0dB、 1kHz=0dB、 100kHz=-0.8±0.5dB
ACインプット
10Hz=-1.5±1dB、 1kHz=0dB、 100kHz=-0.8±0.5dB
残留ノイズ(IHF-A、入力ショート、8Ω) 20μV以下
SN比 123dB
ライズタイム 0.3μsec
スルーレイト 600V/μsec
ダンピングファクター 160(1kHz)
使用半導体 トランジスタ=165個、ダイオード=89個
FET=2個、ツェナーダイオード=26個
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力 370W
外形寸法 幅271×高さ230×奥行488mm
重量 18.4kg
付属品 ピン−ピンコード1本
価格

\330,000(1980年頃)

                       bx1-2-2or
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